赤い羽根共同募金は2026年10月1日に始まりました。北海道共同募金会では計約2億5000万円の使途不明金が報じられていますが、全額が元事務局長の着服と確定したわけではありません。原因や責任の調査と、地域の福祉活動を続けるための対応が進められています。
『ちるライフ』のゆういちです。善意で寄付したお金の行方が分からないと聞くと、次の募金をためらいますよね。何が分かり、何が調査中なのか。2026年10月10日に確認した公式発表と報道をもとに、募金の使い道や、協力を迷ったときの考え方を整理します。
2億5000万円は、すべて着服されたと確定した金額?
報道で示されているのは、元事務局長の着服が疑われる約1億8000万円と、追加で明らかになった約7000万円を合わせた使途不明金です。大きな数字ですが、誰がどのように使ったかまで判明した金額として読むことはできません。
北海道共同募金会は、事務局長を2026年7月13日付で懲戒解雇したと公表しています。理由は、多額の使途不明金につながる経理処理など。処分が行われた事実と、個々のお金の行方や刑事責任の確定は別の話になります。
僕が気になったのは、本人の関与だけでなく、組織がなぜ異常を見つけられなかったのかという点です。第三者委員会への調査依頼には、元事務局長の関与や役員の責任に加え、国税局の調査まで問題が判明しなかった原因も含まれています。
札幌で「1時間に1人」は、どこまでの話?
2026年10月3日配信のUHB・FNNの報道では、10月1日の札幌中心部の街頭募金で、開始から1時間に寄付した人は1人だったと伝えています。これは取材した場所と時間帯の状況で、札幌市全体の一日の寄付人数ではありません。
見出しの数字は印象に残りますが、どこで、いつ数えたものなのかまで読むと、受け止め方が変わります。
同じ報道では、札幌の街頭募金ボランティアが2025年度の3274人から、2026年度は約800人になる見込みとも説明しています。この数値で計算すると減少率は約76%。前年の実績と、その時点の見込みを比べた数字です。
募金への不信感が現場にも影を落としている様子は伝わります。ただ、1時間の街頭の様子だけで年度全体の募金額は分かりません。寄付者数、活動する人の数、集まった金額は、それぞれ違う指標として受け止めたいところです。
募金は本来、どんな活動に使われるの?
赤い羽根共同募金は、地域で必要な福祉活動の計画を立て、そのためのお金を集める仕組みです。寄付を集め終えてから使い道を考えるのではなく、福祉団体などからの申請をもとに助成計画と目標額を決める「計画募金」なんですね。
北海道共同募金会の説明では、道内で毎年2000を超える事業を助成しています。社会福祉協議会の地域活動、NPOやボランティアグループへの支援、福祉施設の整備などが対象で、支援を届ける団体の活動費にも充てられます。
北海道で集まった寄付は、原則として道内の民間福祉活動に使われます。ただし、大規模災害時には道外の被災者支援に拠出する場合もあります。「札幌で募金したら、必ず札幌市内だけで使われる」という仕組みではありません。
地域の福祉活動には、すでに影響が出ている
募金が減ったら将来困る、という心配だけではありません。北海道共同募金会は2026年8月の公表資料で、資金不足により、例年4月に交付していた助成金に遅れが出ていると説明しています。活動を予定していた団体にも関わる問題です。
その対応として、中央共同募金会による緊急支援助成が案内されています。対象は、北海道共同募金会が2025年度の募金を原資に2026年度に助成する計画だった事業のうち、すでに助成済みの費用を除く、支援を希望する活動です。
対象の活動期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで。対象団体には中央共同募金会から別途案内する仕組みです。これは地域福祉を止めないための支援で、使途不明金が回収されたという意味ではありません。
再発防止策では、お金の管理をどう変える?
「管理を徹底します」と言われても、何が変わるのか見えないと安心しにくいですよね。2026年8月24日公表の再発防止策には、会計を管理する人と出納を担当する人の役割を明確にし、互いに点検する体制を強める方針が示されています。
具体的には、現金・預貯金と帳簿の残高を毎月照合し、その確認結果を記録することや、銀行印などの管理、監査での通帳・伝票の確認などです。担当者が説明するだけで終わらず、記録と実際のお金を照らし合わせる手続きが並んでいます。
僕は、対策の項目数よりも、実際に点検が続き、その結果が公表されるかを見たいです。再発防止策にも実施状況の定期公表が盛り込まれています。ルールを作った段階と、機能していると確かめられた段階は同じではありません。
第三者委員会の結果はいつ分かる?
第三者委員会は2026年9月11日付で立ち上がり、弁護士と公認会計士が調査を担当しています。北海道共同募金会は、委員が同会と利害関係を持たないことを説明しています。組織の内側だけで結論を出す体制ではありません。
2026年10月10日に確認した公式案内では、調査報告書の提出は2027年1月末がめどです。同会は提出後に報告書を公開する方針を示していますが、これは予定であり、調査が終わったことや公開日が確定したことを意味しません。
刑事告訴や損害賠償請求についても、調査結果を踏まえた措置として説明されています。今後の発表では、行方が分かった金額、関与や責任の判断、回収の状況に注目したいです。調査中の部分を憶測で埋めないことも大切だと思います。
町内会で募金を頼まれたら、断ってもいい?
北海道共同募金会は、目標達成のために寄付期待額を示す場合があっても、募金は強制ではないと説明しています。金額の目安が書かれていると支払うものに見えがちですが、寄付するかどうかを考える余地はあります。
納得できないまま急いで出す必要はありません。たとえば、調査結果を見てから考える、今回は協力を見送る、と判断することもできます。断る場合は「今回は見送ります」と短く伝えれば、担当者に不満をぶつけず意思を示せます。
一方、地域の活動を応援したいという理由で寄付を続ける人もいるはずです。UHBの報道には、北海道共同募金会が現場の活動者に責任はないとするコメントもあります。寄付する人も見送る人も、互いの判断を責める必要はないと思います。
ゆういち支援したい気持ちと、説明を求める気持ちは、両方あっていいと思います
寄付を決める前に、使い道と説明を見にいこう
「役立つ活動なのは分かった。でも、お金を預けて大丈夫?」。ここがいちばん迷うところですよね。僕なら、助成先や活動内容を見るのと合わせて、管理改善の進捗と調査報告を読み、納得できる説明があるかで判断します。
読む資料によって、分かることも違います。助成実績は何を支えたか、会計資料はお金の収支、調査報告は問題の原因や責任を知るためのものです。活動紹介が充実していることだけで、管理上の不安まで解消したとは言い切れません。
北海道共同募金会の公式サイトには、結果報告や不祥事に関する公表資料が掲載されています。地元の助成先を知りたい場合は、市区町村の共同募金委員会に尋ねる方法もあります。まずは気になる活動の使途報告を一つ読むところから始めてみませんか。




