灯油が1L164円の場合、こたつ+エアコンのほうが灯油ストーブより暖房費を抑えられる条件があります。ただし「最高気温が氷点下になるまでは必ず安い」とは言い切れません。電気料金とエアコンの効率によって、結果が変わるためです。
『ちるライフ』のゆういちです。僕も2026年に初めてこたつを買いました。利用している灯油の定期配達は、10月20日時点で1L164円。以前の120円台と比べて負担が増しているので、この価格で暖房費を計算してみました。
北海道でもこたつに注目、灯油代の上昇は切実
2026年10月19日の北海道放送の報道では、札幌市北区のジョイフルエーケー屯田店で、こたつなど灯油を使わない暖房関連商品への関心が高まっていると紹介されました。いすに座って使えるタイプも話題になっています。
床へ座る動作が負担になる人には、いすに腰かけたまま足元を暖められる点が魅力。食事や作業をしながら使えるのも便利ですよね。ただ、体に合う高さは人それぞれなので、座り心地や立ち上がりやすさも見ておきたいところです。
1L164円なら、100Lで16,400円です。以前の120円台を仮に125円として比べると、同じ100Lで3,900円増。125円は比較用の仮定ですが、冬に使う量を考えると、暖房費の節約は切実な話になってきます。
こたつを足すだけで、暖房費が下がるわけではない
こたつは主に足元や布団の内側、エアコンや灯油ストーブは部屋全体を暖めます。こたつの電気代だけを見て「灯油よりこんなに安い」と比べると、暖めている範囲の違いが抜け落ちてしまいます。
組み合わせで節約を狙うなら、こたつで足元を補い、部屋の暖房を無理のない範囲で弱められるかがポイントです。エアコンをこれまでと同じように動かしてこたつも足せば、電気代が増える場合もあります。
エアコンの効率を考えるときに使うのが、COPという指標です。COP3なら、使う電力1に対して暖房の熱を3届けるイメージ。数字が大きいほど効率が高くなります。カタログのAPFは年間を通した指標で、その日のCOPとは異なります。
こたつの電気代は「600W」の表示だけで決めない
こたつに600Wと書かれていても、常に600Wで動き続けるとは限りません。内部が暖まったあとは温度調節が働くためです。費用を考えるときは、定格消費電力に加えて、標準消費電力量や実際に使った電力量が参考になります。
メトロ電気工業の公表例も、室温20℃、決められた布団と卓のサイズ、人が入らない状態など、測定条件付きです。寒い部屋や大きないす式こたつまで同じ電気代になるわけではないので、購入した型番の説明書を見たいですね。
下表は商品の保証値ではなく、平均消費電力を仮定した計算です。電気単価は税込40円/kWh、1日8時間・30日使う条件。こたつ単体の費用なので、エアコンを併用するときは、その電気代を加える必要があります。
| こたつの平均消費電力 | 1時間の電気代 | 30日・計240時間 |
|---|---|---|
| 100Wと仮定 | 4円 | 960円 |
| 150Wと仮定 | 6円 | 1,440円 |
| 200Wと仮定 | 8円 | 1,920円 |
灯油164円で、エアコン+こたつとの費用を比較
部屋を暖める出力をそろえて計算してみます。灯油側はコロナが2021年に公表したFF-WG40YEの仕様例を使用。最大燃焼時の暖房出力3.99kW、灯油消費0.446L/時、消費電力16Wを使います。
灯油は2026年10月20日時点の定期配達価格164円/Lを、税込の支払単価として計算。電気は税込40円/kWhと仮定します。エアコンも暖房出力3.99kW、こたつは平均100Wとし、エアコンの実効COPを変えて比較しました。
| 比較する運転条件 | 1時間の計算式 | 費用 |
|---|---|---|
| FF式灯油ストーブ・暖房出力3.99kW | 0.446L×164円+0.016kWh×40円 | 約73.8円 |
| エアコンCOP2+こたつ | (3.99÷2+0.1)kWh×40円 | 83.8円 |
| エアコンCOP3+こたつ | (3.99÷3+0.1)kWh×40円 | 57.2円 |
| エアコンCOP4+こたつ | (3.99÷4+0.1)kWh×40円 | 43.9円 |
COP3の場合、エアコン+こたつは灯油ストーブより約16.6円/時間安い計算です。同じ運転条件で1日8時間・30日なら約3,980円差。ただし、実際は暖房出力も効率も変わるため、毎月この金額が浮くという意味ではありません。
安くなる分かれ目は、今回の条件ならCOP約2.29
先ほどの式で費用が並ぶのはCOP約2.29です。これより効率が高ければエアコン+こたつ側、低ければ例にしたFF式側が安くなります。灯油価格が上がるほどエアコン側が有利になりますが、電気単価が上がれば逆に不利になります。
表ではエアコンの出力を下げずに、こたつの電気代を丸ごと加えています。部屋用暖房の出力をそろえたうえで足元暖房を追加した比較なので、合計の供給熱量や体感まで同じではありません。室温を下げた場合の節約効果も含めていません。
灯油側の点火・待機時の電気代、機器の購入費、工事費、契約変更による基本料金の増額は計算外です。エアコンのCOPは霜取りなども含む使用時間全体の実効値を想定しており、特定の機種で測定した結果ではありません。
ゆういち灯油164円だと費用差が気になりますね。あとは、わが家のエアコンで実際にどれだけ電気を使うかです
最高気温が氷点下になるまでは、エアコンでいい?
僕も最初は、真冬日になるまではエアコンでいけるのでは、と考えました。でも最高気温は一日のうち最も高い温度。日中はプラスでも、暖房を使う朝や夜は氷点下ということがあるので、最高気温だけでは判断できません。
エアコンは外気温や室温、住宅の断熱性によって必要な電力が変わります。さらに低温で湿度が高いと室外機に霜が付き、霜取りのために暖房が一時止まる機種もあります。温度だけでなく、湿度や積雪も関わってきます。
寒冷地向けかどうか、低温時に必要な暖房能力が出るかも機種次第です。氷点下になった瞬間に灯油が安くなるわけでも、プラスなら必ずエアコンが安いわけでもありません。室温を保てることを優先し、そのときの電気使用量で比べるのが現実的です。
座っている時間に、こたつの暖かさを生かしたい
食事やデスクワークなど、同じ場所に座る時間が長いなら、こたつを生かしやすい使い方です。足元が暖かいことで部屋の設定温度を少し下げても快適なら、その分の暖房負担を減らせる可能性があります。
反対に、家事で動き回る時間や、家族が別々の部屋で過ごす時間には、こたつの暖かさが届きません。足元だけ暖かくても上半身や別室が寒いなら、部屋の暖房を抑えすぎないこと。買ったからと無理にこたつへ頼り切る必要はありません。
使う際は布団をヒーターへ押し込まず、体を近づけたまま眠らないようにします。NITEは布団の接触による発煙や、うたた寝中の低温やけどの事故を紹介しています。いす式でも、暖房器具としての注意は同じです。
配達伝票と電気明細から、わが家の暖房費を考える
電気40円/kWhは今回の試算用で、北海道の全家庭に当てはまる料金ではありません。電力量料金に燃料費等調整と再エネ賦課金、適用される値引きを反映した単価で考えます。段階制なら、暖房で増える使用量がどの段階に入るかも関わります。
今回の164円/Lも、僕が利用する定期配達の2026年10月20日時点の価格で、北海道全体の平均ではありません。税込・税別や配達条件をそろえて比べる必要があります。新しくエアコンを買う場合は、本体代と工事費も含めて考えたいところです。
こたつを買った効果は、これから確かめたいと思っています。近い外気温の日に、使用時間と室温、エアコンの電力量表示などを記録するところから。灯油を給湯にも使う家では暖房分と混同せず、暖かさを保ったまま支出を減らせる使い方を探したいですね。





