「水や食料を3日分」と聞いて、家にある物で足りるのか気になった人もいるのではないでしょうか。『ちるライフ』のゆういちです。備蓄は家族の人数を掛けて考えるのが基本で、携帯トイレも忘れずに数えておきたいところです。
2026年10月28日、防災庁の発足に合わせて備えを促す方針が報じられました。この記事では同日確認できた情報をもとに、要請の内容と、最低3日分・できれば1週間分を家庭で用意するときの目安を整理します。
防災庁の「緊急要請」は何を求めるもの?
テレビ朝日の報道によると、細野防災庁設置準備担当大臣は、2026年11月2日の防災庁発足初日に、国民や自治体などへ緊急要請を出す方針です。10月28日時点では、要請を出した後ではなく、実施に向けた方針の段階です。
家庭には水・食料・携帯トイレの備蓄を促し、自治体や各省庁にも対策の強化を求める内容です。僕が気になったのは、家庭への呼びかけだけではない点。避難所で高齢者らが早くベッドで休める環境づくりも、今回の報道の論点になっています。
10月20日の大臣会見でも、食事やトイレ、家具の落下などへの備えを国民に呼びかけ、自治体と各省にも要請する考えが示されていました。「緊急」という言葉だけで特定の災害の発生日を知らせる情報だと受け取る根拠はありません。
3日分あれば十分?1週間分を目指す理由
3日分をそろえれば、必ずその翌日に支援が届く。そういう意味ではないんですね。農林水産省は、支援物資が3日以上届かない場合や、物流が止まって店で食品を買えない状況を想定し、最低3日分から1週間分の備蓄を勧めています。
この目安は、防災庁の発足に合わせて初めて登場したものでもありません。札幌市の2025年8月更新の案内にも、最低3日分、できれば1週間分に人数を掛けて備える考え方が載っています。ニュースをきっかけに、以前からの備えを見直す話です。
地域の状況によっては、さらに多めの備蓄が必要になることもあります。農林水産省はハザードマップなどを踏まえ、2週間分などを備える考え方も紹介しています。日数は一律の保証ではなく、自宅や地域に合わせて量を決める目安です。
水は何本必要?人数と日数で計算してみる
札幌市が示す飲料水の目安は、1人1日3リットルです。1人なら3日分で9リットル、7日分で21リットル。「箱が一つあるから大丈夫」と考えるより、中身が何リットルあるかに直すと、足りない量がはっきりします。
| 人数 | 水の3日分 | 水の7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 9リットル | 21リットル |
| 2人 | 18リットル | 42リットル |
| 3人 | 27リットル | 63リットル |
| 4人 | 36リットル | 84リットル |
表は「3リットル×人数×日数」で計算した数字です。たとえば3人の7日分は63リットル。2リットル入りだけで用意するなら、端数を切り上げて32本、合計64リットルになります。家族分にすると、置き場所も考えたい量ですね。
この表は水を何本用意するか考えるための目安で、洗濯やトイレなどの生活用水をすべて含む数字ではありません。食品選びでも、水で戻す物やお湯を使う物ばかりに偏っていないか、食べるまでに必要な水と一緒に考えておきたいです。
食料は「袋の数」より食事の組み合わせで
食料の3日分は、1日3食として数えるなら1人9食分、7日分なら21食分です。ただし、これは食事回数の計算。レトルトのおかずを9袋買えば、それだけで3日間の食事が整うわけではなく、主食や食べる量も合わせて考えます。
ごはんやパンなどに加えて、魚・肉・豆の缶詰などのおかず、野菜の加工品や果物も候補になります。農林水産省のガイドも栄養バランスを重視しています。僕なら「何個買うか」の前に、朝・昼・夕で何を食べるかを書き出します。
- 主食:ごはん、パン、麺などを食べる量に合わせて用意
- おかず:魚・肉・豆の缶詰やレトルト食品を組み合わせる
- 補う物:野菜ジュース、果物の缶詰、好みのお菓子など
- 食べ方:加熱の要否、必要な水、開封方法を商品表示で確認
特に迷いやすいのが、保存できることと、停電時に食べやすいことの違いです。常温保存できても加熱が必要な商品はあります。調理しなくても食べられる物を組み合わせ、使う予定の器具や水がなくても食事が成り立つかを見ておくと具体的です。
携帯トイレは1人何回分?箱の表示を見たい
水や食料は思い浮かんでも、トイレの回数までは数えにくいですよね。内閣府の防災情報に掲載された経済産業省の案内では、1人1日5回を目安に、1週間で35回分の備蓄を勧めています。断水で自宅の水洗トイレが使えない場面への備えです。
同じ目安で計算すると、3日分は1人15回分。3人なら3日分で45回分、7日分で105回分です。4人の7日分なら140回分になるので、「50回分入りを一箱」という買い方では、家族全員の1週間分に届かない場合があります。
1日5回は平均的な目安なので、普段の回数に応じて増やして考えます。購入時は袋の枚数だけで判断せず、商品として何回使えるセットなのか、使い方も合わせて見るのがよさそうです。家族分を用意するなら、使う人が説明を読める場所に置きたいですね。
ゆういち僕は「一箱ある」より「家族で何日使えるか」で数えたいです
乳幼児やアレルギーがある家庭は中身も変わる
家族全員を同じ食品で数えていい?ここは人数の掛け算だけでは決まりません。乳幼児ならミルクや離乳食、高齢者なら食べやすさなど、それぞれに必要な物があります。備蓄の合計量が足りていても、その人が食べられなければ困ります。
農林水産省は、食物アレルギー対応食品などは災害時に手に入りにくくなるため、食事に配慮が必要な人には少なくとも2週間分の食品備蓄を勧めています。一般的な3日分・1週間分とは別に考えたい条件で、誰にでも同じ献立を当てはめる話ではありません。
特別な物を一度に買いそろえるのが難しい場合は、普段食べている対応食品を少し多めに持つところから。買い足す際にも原材料表示を見て、本人が食べられる物を選びます。家族ごとに必要な食品をメモしておけば、買い物をする人にも伝わります。
札幌なら、防寒と持ち出し用も別に考えたい
札幌で備えを考えるなら、水・食料・トイレに加えて寒さ対策も外せません。札幌市は、防寒着や温かいインナー、ウールの靴下、ニット帽、使い捨てカイロなどを備蓄品の例に挙げています。食料の棚と一緒に、冬用の物の場所も見直せます。
また、自宅に置く備蓄と、避難するときに背負う非常持出品は役割が違います。家族の水を何十リットルも一つのリュックに詰めるのは現実的ではありません。持ち出す物は最低限をまとめ、実際に背負って動ける重さかを確かめる考え方です。
在宅避難は、自分と住まいの安全を確保できる場合の選択肢です。備蓄があるから危険な家にも残ってよい、という意味にはなりません。家で過ごすための準備と、必要なときに家を離れる準備を、両方持っておくことが大切です。
買い物の前に、家にある分を数えてみよう
全部を非常食として買い直そうとすると、費用も保管場所も気になりますよね。農林水産省が紹介するローリングストックは、普段の食品を少し多めに持ち、古い物から食べ、使った分を補う方法です。日常の買い物に備蓄を組み込めます。
始めるなら、水は合計何リットルか、食品は何食組めるか、携帯トイレは何回分か。この三つを家族の人数と照らし合わせると、買い足す物が絞れます。食品は賞味期限の近い順に並べておくと、普段の食事でも使いやすくなります。
2026年11月2日に予定される要請の具体的な内容は、発表後の公式情報で確認する必要があります。ただ、家の備蓄を数える作業は、その発表を待たずにできます。まずは戸棚と水の保管場所を見て、足りない一品を買い物メモに加えるところからです。





