国税庁を名乗る「令和7年分 所得税について」に注意|アプリへ誘導する不審な案内

国税庁を名乗り、令和7年分の所得税の未納とAndroid版アプリの導入を案内するメッセージは、正規の通知として扱わず、リンクや添付ファイルを開かないでください。国税庁が公表している連絡方法と食い違う点があります。

「延滞税が増える」と書かれると、金額だけでも見たくなりますよね。『ちるライフ』のゆういちです。2026年10月10日に確認した公式情報をもとに、今回の案内の不審な点と、すでに操作した場合の対処を整理しました。

目次

所得税の未納通知?まず気になるのは支払いの催促

今回の案内は、令和7年分の所得税及び復興特別所得税に未納があると説明し、ログイン後の金額確認を促しています。延滞税や納税の猶予まで説明されているため、丁寧な税務案内のように感じる内容です。

ただ、国税庁は国税の納付を求める連絡を、メールやSMS、LINEでは送らないと明記しています。今回のように未納と期限を示して手続きを急がせる内容は、この公式説明と一致していません。

e-Taxのお知らせメール自体は存在し、登録したアドレスに情報の格納などを知らせます。また、登録情報の更新時などにはURL付きの正規メールもあります。国税庁の名前やリンクの有無だけで、一律に真偽を決めないようにしたいですね。

ゆういち

丁寧なQ&Aほど、つい読み進めてしまいますね

Android版のe-Taxアプリを入れてもいい?

僕が特に引っかかったのは、金額を見るためにAndroid版のe-Taxアプリをダウンロードさせようとしている点です。未納の確認をしたいだけなのに、新しいアプリの導入へ話が進んでいます。

公式のAndroid向け「e-Taxアプリ」は過去に存在しましたが、2021年1月4日でサービスを終了しています。「そんな名前のアプリは一度も存在しない」と説明するのも正確ではありません。

国税庁の令和7年分確定申告の案内では、マイナンバーカードを利用する手続きにマイナポータルアプリを使います。税の手続きでアプリが必要になることと、届いた案内のボタンから入れてよいことは別です。

期限や納付履歴が具体的でも、本物の証明にはならない

案内には、対応期限を10月30日(金)とする記述や、4月30日に一部を納付したという説明があります。自分の記録を把握しているように見えますが、この記載だけで実際の納付履歴が確認できるわけではありません。

案内にある内容(要約)受け止めるときの注意
重要なお知らせが1件ある件数の表示だけでは本人宛ての正式通知とは確認できない
請求額は末尾が100円総額や算定根拠が分からず、実際の未納額を示す証拠にはならない
4月30日に一部納付済み具体的な日付があっても、自分の納付記録と一致するかは別問題
期限は10月30日(金)案内側が示した日付であり、本人への正式な納期限として確認できていない
正確な金額はログイン後金額を知るためでも、不審な案内のリンクから本人確認を進めない

令和7年分の所得税等の確定申告の法定納期限は、原則として2026年3月16日です。この日付は案内中の記述と重なります。ただし、公開されている正しい日付を文章へ入れることは、第三者にもできます。

10月30日という期限や、末尾だけを見せた金額を、自分に適用される正式な請求として受け止めないことが大切です。未納があるか心配な場合は、申告書の控えや納付記録を手元に置き、別経路で税務署へ相談できます。

ロゴや文字の違和感は、どこまで判断材料になる?

今回の文面には、文字の間に見えにくい文字が多数入り、添付欄にはlogo.pngやsvgという表示もあります。ただし、表示の崩れだけで詐欺と断定したり、ファイル名だけで中身を特定したりはできません。

e-Taxから送るメールにはファイルを添付しない、というのが国税庁の説明です。メールとして届き、実際にファイルが添付されているなら不審な点になります。ロゴらしい画像があることは、公式から届いた証明にはなりません。

ボタンのリンク先として示された文字列も、国税庁の公式サイトとは異なります。末尾にe-Taxを連想させる表示があっても信用せず、確かめるためにリンクを開くのは避けましょう。今回のリンク先やファイルの中身は調査していません。

開いてしまったときは、どこまで操作したかを思い出そう

すでに見てしまった場合でも、受信した文面を読んだのか、リンク先で情報を入力したのかで対応が変わります。「開いた」という一言では範囲が広いので、画面を閉じたうえで、その後に行った操作を振り返りましょう。

リンク先を表示しただけで、必ず感染したとはいえません。ただし、今回の誘導先の動作は未確認です。入力やアプリ導入をしていないか、何かを許可するボタンを押していないかも含めて、落ち着いて整理してください。

ダウンロードとインストールも別の操作です。アプリのファイルを保存しただけなら、開かずに削除します。導入まで進んだか分からない場合は、適当に操作を続けず、携帯電話会社などへ状況を伝えて相談しましょう。

パスワードやカード番号を入力した場合は早めに連絡を

ログイン情報を入力した場合は、そのサービスの公式サイトや普段使う正規アプリからパスワードを変更します。同じパスワードを使う別サービスも見直してください。不審なアプリを導入した端末ではなく、安全な別の端末を使うとよいでしょう。

カード番号や認証コードまで入力したなら、請求が届くまで待たず、カード会社に連絡して利用停止などを相談してください。連絡先はカード裏面や公式サイトから調べます。不審な画面に表示された問い合わせ先は使いません。

氏名や電話番号だけでも、後から本人をよく知っているような連絡に使われる可能性があります。「税務署の担当者」などを名乗る追加の連絡が来ても、その相手へ認証コードを教えたり、指示された送金をしたりしないでください。

アプリを入れた場合は、メッセージの削除だけでは足りない

案内から不審なアプリを導入した場合は、端末の通信を止める対応を優先します。Androidなら機内モードにし、Wi-Fiもオフにしてください。会社の端末を使っている場合は、社内の管理担当者へ速やかに連絡します。

IPAは、不正アプリの削除に加え、影響が分からない場合のより安全な対処として初期化を案内しています。ただし、初期化では記録も失われます。必要な記録の保存や復元方法を相談し、被害後のアプリを戻さないよう注意が必要です。

アプリを消しても、すでに漏れた情報や不正利用まで取り消せるわけではありません。別の安全な端末からアカウントの保護を進め、携帯電話会社の決済明細やサービスの利用状況も確認します。見覚えのない請求があれば提供元へ連絡してください。

税金の確認とスマホの相談は、それぞれの窓口へ

本当に未納がないか確かめたいときは、普段のブックマークや国税庁公式サイトからe-Taxへ進み、メッセージボックスを確認します。納付状況が分からなければ、公式の税務署案内で電話番号を調べ、所轄税務署へ相談しましょう。

端末への影響や不正アクセスへの対処で困った場合は、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口が相談先になります。端末の種類、行った操作、起きたことの順番を整理しておくと、何を相談したいのか伝えやすくなります。

何も操作していなければ、利用中のメール・SMSアプリの迷惑報告やブロック機能を使い、不要な案内は削除できます。相談に使う場合は先に原文と受信情報を保存してください。不安な税金の確認は、届いたボタンから離れて進めましょう。

この記事の内容は、公開時点で確認した情報をもとにしています。内容は変更される場合があるため、必要に応じて公式情報や各サービスの案内もあわせてご確認ください。

ゆういち

この記事を書いている人

「ちるライフ」を運営するゆういちです。普段はデスクワークをしながら、ニュースやエンタメ、家電、ネットサービスなどに関心を持っています。休日は子どもと公園へ行ったり、家族で外食を楽しんだり。「小さな発見を楽しむ」を大切に、気になる話題や暮らしの疑問をわかりやすくお届けします。

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